何で勉強しなくちゃいけないの?(高校生の場合)

四十年前、青年教師だったころ、
生徒に
「何で、勉強しなくちゃいけないんですか?」と聞かれることがありました。

私が担当している『生物』では、最初の授業で、
「一年間かけて『命』のいろいろな側面を見ていきます。一年後、そうして得た知識をもとに、あなた自身が『命』について考えてください」と話していました。

「先生の『生物』については勉強する意味が分かりました。でも、ほかの授業は必要ですか?微分や積分、英語や漢文は日常生活で使うことはないと思います」

ごもっともな話で、私自身、学校を卒業してから使ったことはないし、日常生活は小学校や中学校で習った知識で十分です。

では、なぜ日常生活で使うことが無いようなことを勉強するのでしょうか?
就職するためとか、大学に入るためでは説得力がありません。

当時の生徒たちの多くは運動部に所属していたので、前回の「何で勉強しなくちゃいけないの?(小学生の場合)」と同じような答え方をしていました。

「君な部活のトレーニングで、腕立てや腹筋やストレッチをするよね」
(当時、ストレッチはまだ一般的ではありませんでしたが、私たち運動部の顧問はいち早く取り入れていました)
「試合の場面で、腕立てや腹筋やストレッチなんて無いのに何でやってるの?」

「それは、トレーニングで身に着けた筋力や柔軟性が、試合の場面で役立つからです」

「勉強も同じじゃないかな。直接使うことは無くても、そこで身に着けた考える力や考え方の柔軟性が、生きていくうえで役立つと思うよ」

「日常生活に直接必要だからやっているのではなくて、物事を自分の頭で考えるためのトレーニングなんだよ」

当時は、もっと乱暴な言葉遣いだったと思いますが、内容はこんな感じだったと思います。
それでも、生徒たちは納得してくれていたと思います。

ふと考えてみると、ここ十五年ぐらい、このような質問を受けたことないような気がします。

生徒の気質が変わったのか、それとも、爺様に聞いてもしょうがないと思っているのか・・・。
ちょっと寂しい気がします。
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